回り込みは一番複雑なフットワーク
回り込みはフットワークの中で最も複雑です。
初級者は2本1本のフットワーク練習(ショート・回り込み・飛びつき)で、ステップのみで動く回り込み練習からスタートします。
※ステップの解説はこちらから↓
卓球のフットワーク – 卓球指導論 (table-tennis.love)
しかし、サービスから3球目攻撃で回り込むときは静止状態からのスタートになりますので、「左→右→左」という足の順で動きましょう。
回り込みの種類
回り込みには大きく以下の3種類があります。
①ボールに合わせてピッタリ回り込むことができ、連打できる体勢で強打する
②回ってはみたものの思ったよりボールがバック側に食い込み、体を反らせるようにしながら繋ぎのドライブを打つ
③チャンスボールに対して大きく回り込み、前に踏み込みながら決定打を打つ
スタート時の足は「左→右→左」と動くことは変わりませんが、動いた先の動作が少しずつ違いますので、足の動かし方も併せて個々に説明します。
①ボールに合わせてピッタリ回り込むことができ、連打できる体勢で強打する
1、左足半歩を左側に出す
2、右足を大きく右側に出す。左足の後方を通過し、足を交差させる。
3、左足を右足よりも左側まで戻す。左足のつま先を地面につけて右足に体重を多く乗せる。
4、「捻りの体重移動」を使ってステップをし強打する。
<注意点>
・回り込みは台の角に沿うようL字に動くと考える方も多いですが、基本的に並行足のまま、若干左足が前くらいで真横に動きます。
・背中を相手に向ける程に体を捻って打つことが大切です。
・体に余裕があるので基本的にバックストレートにドライブを打ち、相手がクロスに返球してきたボールをさらにフォアストレートに決定打を打つという流れが多いです。
②回ってはみたものの思ったよりボールがバック側に食い込み、体を反らせるようにしながら繋ぎのドライブを打つ
1、左足半歩を左側に出す
2、右足を大きく右側に出す。左足の後方を通過し、足を交差させる。
3、左足を右足よりも左側まで戻す。左足に体重を乗せ左側に体を大きく傾け右足がつま先立ちになる。
4、「左から左の体重移動」でステップを踏みドライブを打つ。
<注意点>
・苦しい中でのドライブになるので、クロスに打つ事が多いです。あるいは一か八かでフォアに送り相手のカウンターをカウンターするプレーになります。
・連続でフォアで打たずに、はやめにバックハンドに切り替えた方が良いでしょう。
③チャンスボールに対して大きく回り込み、前に踏み込みながら決定打を打つ
1、左足半歩を左側に出す
2、右足を大きく右側に出す。左足の後方を通過し、足を交差させる。
3、左足を右足の前方に出し、右足に全体重を乗せ左足はつま先立ちにする。
4、「右から左の体重移動」で前方に大きく踏み込み、強打する。右足の蹴りこみとインパクトが重なるように注意する。
<注意点>
・前に踏み込んで打つ時に大切なことは、体も足も台のサイドラインと並行になるように、L字に動くことです。
・踏み込みのコツは野球の遠投のように打球後に右膝を大きく沈め足の裏が上を向くくらいまで膝を内旋させることです。左足はネット際まで動くつもりで前方向に踏み込みましょう。
・体重移動のタイミングに気をつけましょう。ラケットにボールが当たってから右足の蹴りがスタートするイメージで踏みこんで下さい。
回り込みの注意点
回り込みは、バック技術が未熟な内は多用する攻撃のフットワークです。
バックハンドが上達すれば回り込む機会は減りますが、しかしチャンスボールはフォアで打った方が良いですし、高いボールはバックでは打ちづらいものです。
逆にまったく回り込まない選手は今度はミドルを狙われます。「バック側を全てバックハンドで処理できれば合理的ではないか」という考え方は初中級者にありがちですが、回り込まない選手はミドルから崩しやすく攻略が容易です。バックハンドの練習も大切ですが回り込みのフットワーク練習を怠ってはいけません。
効率よくバックハンドと回り込みを併用することが大切ですが、まずはバックハンドより回り込みを沢山練習することが良いでしょう。
初中級者の内は、回り込めないボールだけはバックハンドで処理する、という考え方がスタンダードです。