ニュートラルについて

「構え」とは

スイングは基本的に振りと戻りの2ステップで構成されています。そのため、ニュートラルという考え方は存在しません。

ニュートラルという考え方は、①スイング②戻り③構え、の3要素があって成立するもので、一昔前は「三角打法」と呼ばれていました。

構え(ラケットを体の中心に置く)の位置からバックスイングをとり、スイングし、また構えに戻る、という構図です。

現代卓球では「振る」と「戻る」の2ステップしかなく、戻りが即ち構えになると考えます。

「三角打法」は手順が3段階あるので、2ステップに落とし込むことができません。

(※ステップについては下のフットワークのページをご覧ください)

卓球のフットワーク

 

●それぞれの打球に「構え」がある。

「構え」には「フォアハンドの構え」「バックハンドの構え」「ツッツキの構え」など、打法によってそれぞれに構えがあると考えます。

「三角打法」における構えは、「レシーブの構え」に該当すると考えます。

フォアを打った後はフォアかバックに構えるのが通常で、フォアのあとにレシーブをするわけではないので体の正面にラケットを戻して構える必要はありません。

フォアのスイング後は速やかに次の打球の構えに戻りましょう。

 

●どちらに来るかわからないならニュートラル

ここでよく「試合でどちらに来るかわからないのに真ん中に構えなくていいのですか」という質問が来ますが、それに対する見解は以下の通りです。

卓球はサービスから相手を誘導していく競技なので、「どちらに来るかわからない」状況を無くしていくことが大切です。

仮に、自分のサービスが成功したら、フォアとバックに来る確率は5:5ではありません。

7:3や8:2でどちらかに来る確率が高い訳ですから確率の高い方に「構える」ようにします。

仮に本当に5:5でどちらに来るかわからないということであれば、それはサービスや自分の返球が甘く、相手が好きなコースを選べる状況だと考えて下さい。

そうならないようにサービスから相手を誘導するために厳しいボールを送ります。

逆にレシーブは、相手のサービスが基本的にどこに来るかわからないので真ん中(ニュートラル)に構える必要があります。

確率の高い方に構えていくようにしますが、逆を突かれ確率の低い方に返球される場合も当然あります。

その場合、例えばバックに構えていてフォアに来たら速やかにフォアに構えなおして打ちましょう。

打った後に見てしまう癖

↑この項でも同じ内容に触れていますので参考にご覧ください。

 

注意点

バックハンドで待っていてフォアハンドを振ることはさほど難しくないですが、フォアハンドで待っていてバックに来たボールを打つことは難しくなります。

それはフォアハンドよりバックハンドの方が打球点が前にあるからです。(フォアハンドは体の横や斜め前だが、バックハンドは体の前で打つ。)

そのため、フォアハンドで待つ場合は勇気をもって勝負をかける時だと言えます。

逆に無難にラリーをしたいならバックで待って、バック対バックで甘いボールを待ちストレートにバックハンドで攻める戦術が無難でしょう。

 

まとめ

・それぞれの打法に「構え」があるので、構えというのは一つではない。

・ニュートラルは基本的に「レシーブの構え」を指す。

・どちらに来るかわからない時はニュートラルに構えるが、理想は先手を取って確率の高いコースに構えていくこと。