体重移動について

卓球の体重移動は「縦」と「横」の2種類

体重移動には大きく二つ、「捻る体重移動」と「傾く体重移動」があります。

この二つ混在はする場合も多々ありますが、最初は分けて考えてください。

捻る体重移動は両足が地面に着いている際の体重移動とし、傾く体重移動は基本的に片足が宙に浮くまで傾いた場合の体重移動と、ひとまず決めて説明します。

イメージでいえば

「捻る体重移動」=ネジの動き

「傾く体重移動」=メトロノームの動き

となります。言い換えると

「捻る体重移動」=ネジの動き=縦の体重移動

「傾く体重移動」=メトロノームの動き=横の体重移動

とも言えます。

 

●捻る体重移動について

捻る体重移動は、移動せずにその場で打球する際に使う体重移動で、初心者にはまずこの体重移動を指導します。

重心の位置を横にずらさず左膝を内側に捻りこんで上体を右側に向けることが「捻る体重移動」です。

重心の位置は横にずれていないため、右側を向くことで右足に大きく負荷(体重)がかかりますが、左足にもその等分の負荷がかかります

そのため、体重移動とは言うものの常に両足に負荷がかかります。

下回転に対してフォアドライブやバックドライブを打つ時に多用する体重移動です。

 

●傾く体重移動について

傾く体重移動は、前後左右に大きく振られた時や、体重を乗せて強打したい時に使います。

基本的に片足が浮き気味になるため、捻る体重移動に比べて威力は出ますが戻りが遅くなります。

体から離れた場所にあるボールを打つ時や、戻りを多少犠牲にしてでも強い球で押し切りたい時、あるいは決定打を打つ時に多用します。

体重移動には4種類あります。多用する順に書いています。

POINT

1、右から右の体重移動

2、左から左の体重移動

3、右から左の体重移動

4、左から右の体重移動

<使用する主な場面>

1、右から右の体重移動
→ボールがフォアに来た時に二歩動で打つ場合に使う体重移動です。フォア前も同様です。

2、左から左の体重移動
→ボールがバック側に来た時に二歩動で打つ場合に使う体重移動です。また、回り込みで繋ぎのフォアドライブで粘る時によく使う体重移動です。

3、右から左の体重移動
→チャンスボールに対し決定打を打つときなど、全体重を乗せて強打する際に使う体重移動です。

4、左から右の体重移動
→台上処理を一歩動で行う際に使う体重移動です。また、フォアに強打された時に一歩動でカウンターを打つ時に使います。

※一歩動や二歩動は下のページをご覧ください。

一歩動、二歩動、三歩動 – 卓球指導論 (table-tennis.love)

 

体重移動は「右から左」だけではない

体重移動と言えば右利きですと右から左、と盲目的に練習される方も多いと思いますが、まず右から左にも2種類(「捻る」か「傾く」)あると理解するだけでもフットワークの種類が増え今までミスしていたボールがきちんと打てるようになります。

ステップと、一歩動二歩動三歩動、前後の動き、回り込みの4つを理解し体重移動を全て実践できれば、あとは1つ1つのボールに対して正しい「選択」ができるかどうかです。

 

●上級者は捻る体重移動か、左から右の体重移動でフォア打ちをする

卓球はだれしもがフォア打ちからスタートし、体重移動は右から左と教えられます。

しかし、ある程度卓球をした人は上級者のフォア打ちが右から左になっていないことに気が付きます。

上級者は大抵の場合、左から右の体重移動でフォア打ちをします。

この理由には様々な見解があります。

私の見解では、例えばミドルやバックに来た時にも左足に体重が乗っていれば打てるからだと思います。

右足に全体重が乗っていて仮にミドルやバックにボールが来てしまうと、とても打ちにくいでしょう。

上級者はそんなことを意識せずとも自然にそのような足の使い方になるのですが、見方を変えれば上級者はフォア打ちをしていても全体をカバーする足の使い方をしているということでもあります。

上級者になるためには、いついかなる時でも取れないコースが無いように準備をしておく必要があるということです。

 

<余談>

これは私の個人的な考え方ですが、卓球を含め様々な物事は「結論」から決めていくことが多いと思います。

旅行ですと、行きたい場所ややりたい事という結論があって、そこから日付が決まり移動方法が決まり、最終的に旅行前日の寝る時間まで決まっていきます。

卓球でいう結論は「決定打」です。決定打を打つ時の体重移動は右から左です。

だから、まずは結論である決定打を打つ体重移動、「右から左」を教えられると思います。

しかしフォア打ちは決定打ではないので、右から左である必要はありません。

また、良い結論に結び付けるためには良い始まりが必要で、卓球の始まりはサービスです。

良いサービスが出せるから、良い三球目攻撃、五球目攻撃ができ、その結果決定打が打てます。

良いサービスなくして決定打は打てません。ドライブやスマッシュの練習に明け暮れてサービス練習を怠らないように気をつけましょう。