体重移動には大きく二つ、「捻る体重移動」と「傾く体重移動」があります。
この二つは私の定める閾値内で混在はしますが、最初は分けて考えてください。
捻る体重移動は両足が地面に着いている際の体重移動とし、傾く体重移動は基本的に片足が宙に浮くまで傾いた場合の体重移動と、ひとまず決めて説明します。
イメージでいえば
「捻る体重移動」=ネジの動き
「傾く体重移動」=メトロノームの動き
となります。言い換えると
「捻る体重移動」=ネジの動き=縦の体重移動
「傾く体重移動」=メトロノームの動き=横の体重移動
とも言えます。
・捻る体重移動について
捻る体重移動は、移動せずにその場で打球する際に使う体重移動で、初心者にはまずこの体重移動を指導します。
重心の位置を横にずらさず左膝を内側に捻りこんで上体を右側に向けることが「捻る体重移動」です。
重心の位置は横にずれていないため、右側を向くことで右足に大きく負荷(体重)がかかりますが、左足にもその等分の負荷がかかります。
そのため、体重移動とは言うものの常に両足に負荷がかかります。
下回転に対してフォアドライブやバックドライブを打つ時に多用する体重移動です。
・傾く体重移動について
傾く体重移動は、前後左右に大きく振られた時や、体重を乗せて強打したい時に使います。
基本的に片足が浮くため、捻る体重移動に比べて威力は出ますが戻りが遅くなります。戻りを多少犠牲にしてでも強い球で押し切りたい時や、決定打を打つ時に多用します。
体重移動には4種類あります。多用する順に書いています。
1、右から右の体重移動
2、左から左の体重移動
3、右から左の体重移動
4、左から右の体重移動
<使用する主な場面>
1、右から右の体重移動
→ボールがフォアに来た時に二歩動で打つ場合に使う体重移動です。フォア前も同様です。
2、左から左の体重移動
→ボールがバック側に来た時に二歩動で打つ場合に使う体重移動です。また、回り込みで繋ぎのフォアドライブで粘る時によく使う体重移動です。
3、右から左の体重移動
→チャンスボールに対し決定打を打つときなど、全体重を乗せて強打する際に使う体重移動です。
4、左から右の体重移動
→台上処理を一歩動で行う際に使う体重移動です。また、フォアに強打された時に一歩動でカウンターを打つ時に使います。
体重移動と言えば右から左、と盲目的に練習される方も多いと思いますが、まず右から左にも2種類(「捻る」か「傾く」)あると理解するだけでもフットワークの種類が増え今までミスしていたボールがきちんと打てるようになります。
ステップと、1~3歩動、前後の動き、回り込みの4つを理解し体重移動を全て実践できれば、あとは1つ1つのボールに対して正しい「選択」ができるかどうかです。
ミスに対して「技術不足」なのか「選択ミス」なのかを正確に判断できることが上達の鍵です。ミスを一概に「下手だから」と一括りにしてしまう人は上達の方法もイメ―ジできていない場合が多いと感じます。「技術」は基本的にスイング速度とフットワーク速度と当てる厚さの両立ができるかどうかです。あとは全て「選択」に入るかミスするかが委ねられています。
スイング速度が上がらない方は今一度、各打法の項を読み直し練習して下さい。スイング理論に適っていないスイングはいくら練習しても速くなりません。