シェークハンドのバックハンドには様々な技術があります。
1、バックハンドロング(プッシュも含む)
2、バックハンドドライブ
3、バックハンドスマッシュ(バックミート)
4、バックハンドフリック
5、チキータ技術全般
これら全て総称してバックハンドと言いますが
この項ではバックハンドロング、一般的には「ショート」と呼ばれる技術について紹介します。
バックハンドロングには大きく2つ「ショート」と「ハーフボレー」とがあります。
バックハンドロングとは、ドライブをかけずに打球する基本技術のことを指します。
ドライブ回転をかけることは、ある程度のスイングスピードと薄く当てる技術を要しますので初心者には難しいため
まずこのバックハンドロングを初級者の内は特に練習します。
ハーフボレーは元来テニス用語だと思います。
ボレーとはバウンド前に打球すること全般を指すテニス用語で、卓球にはルール上ボレー技術は存在しません。
(サッカーの場合のボレーシュートは空中に浮いているボールを蹴ることを指します)
テニスのボレーショットにはローボレー、ハーフボレーなどがあります。


図の通りハーフボレーとはバウンド直後を打球するテニス用語ですが
卓球の場合はバックハンドにしかハーフボレーという言葉は使いません。
(フォアのハーフボレーとは言いません。)
また、最近はハーフボレーという用語を使うことは減っていると個人的に思います。
その理由は、一昔前まではバックハンドドライブが一般的に使われていなかったため
バウンド直後を前に伸ばすように打球するハーフボレーがドライブの様な存在であったためと考えられます。
現在はハーフボレーの定義や使い方は指導者によって違うと思いますので
言葉に囚われず指導者が何を伝えたいかをきちんとくみ取ることが生徒にとって重要です。
「ショート」と「ハーフボレー」について私の説明をします。大きく分類すると
●「ショート」は肘
●「ハーフボレー」は肩
で打球します。
・「ショート」の打ち方
1、手首を曲げてラケット面を真横にする
2、肘を下方向に向ける
3、肘を伸ばしてラケットを真っすぐ前方に突き出し打球し、真っすぐ戻す。
となります。
その際に注意する点を紹介します。
・ラケットを上から持つようにすること。(自転車のハンドルを持つように)
・肘の高さとラケットの下部分が同じ高さにあること。
・おへそとラケットと相手を一直線に結ぶこと。(斜めを向かない)
・スイング後もラケット面はずっと相手を向いているようにする。
体が斜めになることが多く、上級者でも体を斜めに開いて打つ動作が良くあるため問題ないと思う方も多いのですが
初級の内はまず「真っすぐ」を覚えることを重要視します。
「真っすぐ」が出来る上で肩を開いて打つのと、常に肩が開いてしまっていることは違います。
バックドライブの項で後述しますが、バックドライブは基本的に肩を開かずに打つので
ショートの段階で肩が開く癖がついてしまうと、ドライブ練習に移行した際に、その矯正に大きく時間を割くことになってしまいます。
打球点は基本的に腕が伸びきる直前と指導しています。
振り始めで当てようとすると懐が狭くなり詰まった打ち方になりやすいためです。
ただ、腕が伸びきる直前と指導すると体が開いてひっくり返るように打ってしまう方もいます。
そういう場合はこの限りではありません。
よくある質問の1つとして、「ラケットは上を向いたらダメなのか」というものがあります。
これに関しては、例えばバックが表ソフトの方などはラケットを前に倒してバックミートを打つため
ラケットが上を向いていた方が良い場合があります。
答えとしては、「手首がきちんと曲がっていたらラケットは上を向いていても問題ない」になります。
手首が曲がっていても、肘が大きく内回旋しているとラケットは上方向を向きます。
その状態からバックミートを打つため、はじめからミートを打ちやすい格好でショートをすることは問題ありません。
良くないのは、手首が立ってしまっていることです。
ショートからドライブ、ミート、スマッシュのいずれに移行するにしても手首を使用しますので
手首が立ってしまっているとステップアップの道が閉ざされてしまうためです。
プッシュに関しては、ショートを強く打球したものと考えて下さい。
シェークのプッシュは左肩が開かないように気をつけながら打つと良いです。
・「ハーフボレー」の打ち方
1、ショートと同じ構えから
2、肩を回してバウンド直後を打球する
となります。
体を真っすぐにし相手と正対し、腕をまっすぐ突き出して外側を回すようにスタート地点に戻します。
イメージとしては、体の前面で両手でハートを描くようにスイングしてください。
ショートは「押す」イメージで打球しますが、ハーフボレーは「回す」「引っ張る」イメージで打球してください。
若干ラケット面を伏せ(斜め45度程度)、少し回転をかけて伸ばすように相手コートに送ります。
ハーフボレーとドライブは混同しがちですが、初級の内はハーフボレーがドライブ代わりでも構いません。
難しく考えずに肩を回して回転をかけて打ってみて下さい。
ペンホルダーにはハーフボレーという概念はなく、「ショート」か「プッシュ」を使用します。
ショートの基本的な打ち方はシェークと変わりませんがグリップを間違えないように気をつけなければいけません。
グリップに関してはグリップの項をご覧ください。
ペンのプッシュはショートを強くしたものですが、フリーハンドを大きくスイングすることが大切です。
打球前は前に突き出し、インパクトの瞬間に一気に後ろに引き戻しその反動で打球します。
ここで気を付けるのは、(特に女性によくある癖ですが)
打球後のフリーハンドで、肘の位置を手よりも高くすることです。
手のひらの方が肘よりも上に行ってしまわないように気をつけて下さい。
肘ごと後ろに引っ張るように打つと良いです。