基本打法

打球練習の目的は、関節を自由に扱えるようになることと考えます。

基本のフォームという概念はありますが、ボールは一球一球違うので

それぞれにフォームがあり、フォームは無限となります。従ってフォームという言葉はあまり使いません。

フォームという言葉に囚われて、柔軟性を失うことを避けるためです。

 

全身に関節があり、卓球は多くの関節を使いますが

“腕”と“それ以外”にわけて考えます。

腕以外の関節で使用するのは主に腰と膝です。

腕には、指関節・手首・肘・肩の4つの関節があります。

 

関節には大きく2種類あり、「回る関節」と「曲がる関節」です。

腕の関節をこのグループに置き換えると

“指と肘”、“手首と肩”がそれぞれグループ化できます。

曲がる関節は一方向のみ使用できますが

回る関節は全方向に動かすことができ、関節機能として優位です。

従って、基本打法は特別な条件下を除いて回る関節を中心に使用することが望ましいと考るため

肩と手首を中心にスイングすることを優先します。

 

関節の捉え方では一般的に間違っていることがいくつかあります。

例えば、膝を回すという体操がありますが、上記の考え方に立って考えると

膝は“曲がる関節”であるため、回すことはできません。膝の位置が回っているという言い方は正しいかもしれませんが

基本的には膝を回す運動は股関節と足首を回す運動です。

 

また、バックハンドの概念として“手首を使う”や“前腕を使う”という表現がありますが

前腕は筋肉と骨を指していて、手首は関節を指しています。

手首を動かす筋肉は全て前腕にあるため、“手首を使う”と“前腕を使う”は正しくは同義になります。

また、指を動かす筋肉も前腕内にあります。前腕の筋肉の殆どは肘関節に起始があり、指の骨上に停止があります。

また、前腕をワイパーのように動かすバックハンドなども、よく“肘を回して打つ”と表現することがありますが

肘は曲がる関節なので、正しくは肩の関節を捻ることでワイパーのような運動が成立します。

 

また、意識は2つの事を同時に考えられないという特性があり

関節を使うことも同様に考えます。

即ち、二つの関節を同時に能動的に使うことはできない、ということです。

能動的に動かしている関節以外は全て、受動的に動いています。

「動かす」と「動く」では大きく違い、前者が能動的で後者が受動的となります。

全身を使って打球はしますが、能動的に動かしている関節は1つと考えます。

以上のことから「肩と肘を一緒に使う」という表現は使いません。

1つの関節に集中して動かすことで、効率よく関節の操作性を高めることを重要視します。

 

後の項でも説明しますが

フォアドライブやバックドライブにそれぞれの関節を使った打ち方があると考えます。

肩を使ったフォア、肘を使ったフォア、手首を使ったフォア、という具合です。

「その1つ1つのボールに最適な関節を選び打球をする」という考えの基指導しています。

 

また、スイングやフォームは「矯正するもの」ではなく「増やすもの」という概念の上に指導をします。

今までのスイングが仮に悪いものだったとしても、現状ではそれが打ちやすいわけで、それはそれで置いておき

新しいスイング、打ち方、使い方を増やすように指導をします。